蒸気機関車の写真館 「煙にまかれて」 海外蒸気 中国 阜新炭鉱 鉄道 2-2
China Fuxin Coal Mine Railway
中国 阜新炭鉱専用鉄道 2-2
2012年3月に2回目の訪問です。ドイツ主催のツアー参加で3日間の撮影です。3日目の画像
です。
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この日の撮影は高徳(Gaode)駅からスタートです。スモッグがすさまじいです。朝の客レで
す。この専用線では唯一のSL牽引の客レです。
続いてズリ運搬列車です。
平安(Pingan)駅付近です。
新邸(Xindi)駅付近です。
五龍鉱裏側のズリ捨て場。かろうじてフライアッシュ運搬列車のフライアッシュ廃棄作業に間に
合いました。この当時、この光景はK竹さんの発表で日本人鉄の間で大きな話題になっており、
私も1度は見たいと思っていたので、ラッキーでした。
フライアッシュ(Fly ash)は石炭火力発電所などで石炭を燃焼させた時に発生する灰の1つです。
電気集塵機などで回収される非常に細かい粒子の灰をフライアッシュと称するようです。回収し
ないと、煙突から廃ガスといっしょに大気中にばら撒かれてしまいます。日本では、回収して、
資源としてコンクリートの強化材などに有効に利用されています。その運搬も、粉塵となって飛
散しないよう専用の密閉容器に入れて運搬しています。その運搬例は、岡見貨物として知られて
いますね。
阜新には、3つの火力発電所があります。いずれの発電所からも回収されたフライアッシュは有
効利用されず、捨てられています。2つの発電所からでるフライアシュは水で湿らせて飛散防止
を図ってから運搬・廃棄されていますが、1つだけは、無処理で運搬・廃棄しています。その廃
棄作業の様子が上記の画像です。
この廃棄場所は標高70m程度のズリ捨て場の上にあるので、阜新の街並みが左側の遠く眼下に見
えます。この廃棄作業の様子を目の前で見るのは、かなりハードルが高いのです。
1. 廃棄列車の運行が1〜2本/日程度と少なく、また、人の目に触れさせたくない作業と思わ
れていて、目立たない夜に行うことが多い。
2. ズリ捨て線が2本あり、どちらの線に入るのか予測しづらい。
3. 前日・当日に雨が降ってしまうと、湿ってしまい、飛散しなくなる。
4. 廃棄場所は廃露天鉱にもあるので、どちらで捨てるのか予測しづらい。
今回、このツアーに15人程度参加していますが、近くで撮影できたのは、私を含めて3人程度で
した。帰りのバスで、ガイドに案内が不十分と文句を言っているドイツ人もいました。
市当局と炭鉱当局はこの作業を見られたくないようで、ズリ捨て場への立入り禁止や、夜間作業の
みするなども行っているようです。2015年の時点では、水で湿らせて飛散防止を図るようになっ
たとのことで、もうこのような光景は見られないようです。飛散したフライアッシュは、日本に飛
来するPM2.5の一部になるのでしょう。
5両の貨車から順番に1両づつ廃棄されます。その毎に、粉塵が舞い上がります。
その1 廃棄した直後。
その2 舞い上がってきます。同時に風で右側に流されます。
その3
その4
その5
その6 遠くに五龍鉱のやぐらが見えます。その1からその6まで、12秒です。
すさまじい公害の源ですが、見ごたえのある光景でもありました。
おまけ:練炭製造の工程の一部です。
練炭は、石炭粉を主原料に石灰や粘土などを混ぜて製造されます。石炭から不純物を除去するた
めに、粉砕した石炭を池に入れ、石炭と不純物の比重差を利用して石炭分と不純分を上下に分離
させます。この人は、きれいに比重分離させるために、時々撹拌しているのです。胸まである長
靴をはいて池の中を歩き回り、スコップで撹拌します。その時、転ばないよう浮き袋に入ってま
す。すさまじい仕事があるものです。分離が完了したら、水抜きをして、純度の高い石炭粉をか
き出すのでしょう。
そんな池が、点在しております。池の縁には氷が残っています。この時期の撹拌は身体がかなり
冷たくなる作業でしょう。なお、練炭は日本の発明だそうです。これで阜新炭鉱鉄道の撮影2-2
を終え、車で北台鋼鉄(1-1=)に向いました。阜新炭鉱鉄道3-1に続く。
阜新炭鉱鉄道
画像:1-1=, 1-2=, 1-3=, 2-1=, 2-2=, 3-1=, 3-2=,
3-3=
ビデオ
その1:1=, 2=, 3=, 4=
その2:1=, 2=, 3=, 4=, 5=, 6=, 7=, 8=, 9=,10=
その3:1=, 2=, 3=, 4=, 5=, 6=, 7=, 8=, 9=,10=,
11=,12=,13=,14=,15=,16=,17=
前は、南票炭鉱鉄道(1=)です。
次は、北台鋼鉄専用鉄道 (1-1=)です。
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