蒸気機関車の写真館 「煙にまかれて」 海外蒸気  中国 瀋陽鉄路陳列館 南満州鉄道(満鉄) パシナ

China  Shenyang Railway Museum
中国   瀋陽鉄路陳列館(鉄道博物館) 1

2012年3月に初めて、ドイツ旅行会社主催のツアーに参加しての訪問です。今回もKさんと二人
です。瀋陽空港でツアーに合流しました。中国のSL撮影に、何でドイツのツアーに参加しているの
かとの疑問を持つ人もいると思います。参加理由は、ツアーコースに2010年ころ開設した瀋陽鉄
路陳列館と北台製鉄所が組み込まれていたためです。瀋陽鉄路陳列館には、南満州鉄道(満鉄)時
代に特急「あじあ号」を牽引したパシナ形蒸気機関車などが展示されています。北台製鉄所では、
溶融銑鉄や溶融スラグの運搬にSLがまだ使用されています。いずれも日本人主催ツアーでは訪問が
難しいとされている場所でした。このツアーでは、他に元宝山(2-1=)、平庄(3-1=)、
阜新(3-1=)、北台鋼鉄(1=)を訪問し、ツアーを離脱後、八角台発電所(1=
を訪問しました。

この当時、瀋陽鉄路陳列館には日本人は入れてもらえない、反日教育の施設であるなどの噂があり
ました。実際、現在(2015年)に至っても入れないケースが多いようです。また入れても撮影禁止
と言われるとも聞きます。なお、博物館の場所は瀋陽の西側にある蘇家屯駅の隣です。

以降、私が実際に見た後の感想です。
この施設は"陳列館"で"博物館"と称していません。なお、北京のは「北京鉄道博物館」(1=)と
称しています。陳列するだけで見せることは二の次のようです。これは鉄道員の教育研修の施設で
一般公開には消極的です。外部の人(日本人を含む)でも、20人程度以上の団体で事前予約をすれば
入場可能であると、現地ガイドは言っていました。誰もが入りづらいだけで日本人だけが特別に排
除されているわけでもないようです。今回のドイツ主催ツアーは15人程度でした。陳列物は、中国
東北部の鉄道の歴史をパネル説明、昔から現在までの機関車、客車、電車、貨車などの車両の展
示、各種鉄道施設(信号、トンネル、橋梁、ループ線)の実物・模型とパネル説明の展示です。当
然、満州国時代のもありますが、反日を感じさせるよう政治的な意図を持った展示には見えません
でした。純粋に技術面だけを展示しているように感じます。撮影は自由にできましたが、陳列館の
担当者の表情と態度は、「見学者を受け入れる事が面倒くさい」でした。写真なんか撮らずに、さ
っさと見て、さっさと帰れ、という感じです。これは、ドイツ人に対しても同様の態度です。この
ため、とにかく撮影するだけで、じっくり見る余裕と時間はありませんでした。100元の入場料を
払って、ステンレス製の入場券とパンフレットをもらってるのですが。少人数の日本人ツアーと博
物館職員のやる気の無さで入場できず、日本人は入れない施設、日本人には見せたくない反日教育
の施設であるとの憶測を生んでいるように思えます。なお、滞在時間は1時間程度で、博物館の中
では、緊張しながら、一切日本語を発せず、無言で撮影にいそしみました。

ここを見物後、瀋陽から夜行寝台列車で赤峰に向います。翌日は、元宝山(2-1=)と平庄
(3-1=)で撮影です。
 
海外蒸気に戻る     表紙に戻る

  
  陳列館の全景です。右の時計は止まったままです。

  
陳列館で博物館とは称していません。北京のは、「北京鉄道博物館」(1=)で誰でも入れます。

  
  屋外には、人民形が展示。

  
  反対側には、前進形が展示

  
  館内には、30両程度の機関車、客車、貨車などをびっしりつめて展示。

  
  ブルーのパシナが目立ちます。

  
  中国東北部の鉄道の歴史をパネルで紹介。満州国時代のパネルです。反日を強調するような
  パネルは分かりませんでした。

  
パシナです。中国では勝利7形(SL7)と称しています。 動輪2000mm。一番の目玉のような
展示です。ドイツ人もあやふやながらパシナを知っていました。

  


  


  


  
説明文には、1934年満鉄大連の機関車工場で製造され、長春(新京)ー大連間の「亜細亜(あじあ)
号」を牽引したと記載されています。戦後も活躍し1983年に退役したようです。反日的な表現は
見つけられませんでした。

  
パシハもありました。中国では勝利8形(SL8)と称しています。動輪が1850mmもあります。

  
  満鉄時代の客車、「公務車」と記載。あじあ号のものではなさそうです。

  
  他に各種の機関車が展示されています。知識不足なので解説は省略です。

  


  


  


  


  


  


  


  


  


  
約1時間の滞在で、追い出されるように退館しました。私は、静態保存機にはあまり興味がないの
ですが、もう少し、じっくりと見たかったです。これ以外にも、ドイツICE3をベースにしたCRH
3などの最近の車両も展示されていました。ドイツ人は、これを見て「コピー」と呟いていた。
また、信号システム、ポイント、トンネル、橋梁、スイッチバックやループ線の模型など各種鉄道
施設の実物または模型が展示されていました。鉄道の教育施設の印象でした。
  

  
屋外には食堂車をつないだ工建形が展示。食堂は現役のようです。この後、ツアーは瀋陽駅に向か
いました。以上で、瀋陽鉄路陳列館の掲示を終わります。

  この前は、撫順炭鉱鉄道(1=)です。
  この次は、八角台火力発電所専用鉄道(1=)です。

海外蒸気に戻る     表紙に戻る