蒸気機関車の写真館 「煙にまかれて」 国内復活蒸気  愛知県 

三信鉱工(株) 粟代鉱業所 1-2

2020年12月に訪問。神谷武志講師引率のクラブツーリズム主催のツアーに参加しての訪問で
す。豊橋駅集合解散のツアーで、バスで鉱山のある愛知県北設楽郡東栄町に向かいました。同
鉱山は、粘土鉱物の一種であるセリサイト(絹雲母)を採掘している。同鉱山のセリサイトは高
純度で白いため、主に化粧品のファンデーションの原料として使用され、世界シェアは50%以
上も占めているとのこと。同鉱山は坑内堀で、切羽から積み出し場まで508mmゲージの線路
を敷設しており手押しによるトロッコで鉱石を搬出している。小規模鉱山の典型的な姿と思い
ます。同鉱山の鉄道の画像を2回に分けて掲載します。その2です。

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拾石坑の撮影の次は日向(ひおも)坑です。本事務所の近くにあります。右が日向坑の入り口。
採掘された鉱石は手押しトロッコで運ばれ、左側のインクラインで引き上げられ、鉱石積み
出し場に向かいます。

    
手前へターンテーブルがあり、ここでトロッコの向きを変えます。全て鉱山の手製とのこと。
屋根の向こうに鉱石積み出しのシュートが見えます。

  
日向坑に入ります。上には神棚、「昭和35年(1960年)1月9日開坑」と書いてあります。

  
日向坑の中です。こちらも、所々で坑木で坑道を維持しています。こちらの坑道は乾燥していて
レンズが曇りません。なお坑内の気温は両方とも一年を通じて15℃前後と快適とのこと。

  
  このあたりは素掘りの坑道区間

  
  途中、坑道が分岐しています。手作りのポイントが良い雰囲気です。
 

  

  

  

 

  
  一部で坑道の高さの低い所があり、少し屈む必要があります。

  
これで、同鉱山の撮影終了です。ここ粟代鉱業所には、「拾石」「日向」坑の他に5つ程の坑口
があります。いずれも同様な設備のようです。ここで採掘した鉱石は、選鉱場に運ばれ、粉砕と
比重選鉱を経て高純度のセリサイトになり、国内外に出荷されるようです。私達は、この後、こ
のセリサイトを原料にした化粧品作りを体験学習しました。今回のツアーは鉄道ファン向けでし
たが、本来は、化粧品作り体験に重点をおいたツアーで、鉱山見物はおまけだそうです。当然タ
ーゲットは女性とのことです。その2の終了です。
1970年頃でも日本には1500程度の鉱山・炭鉱がありましたが、現在ではあまり残っていませ
ん。残っている鉱山もほとんどがトラックレス・マイニング(無軌道鉱山=軌道を持たない鉱山)
化されてしまい、トラック(軌道)を持つ鉱山は珍しくなってます。世界レベルでも同様です。大
規模鉱山から積出し港までなどの鉱石・石炭輸送では鉄道が活躍していますが。三信鉱工のよう
に無動力とは言えトラック(軌道)を持つ鉱山が残っているのは素晴らしいです。今後の繁栄を祈
りながら鉱山を後にしました。
余談:この見学後、数人の友人たちと飲み屋に行きました。後日、友人の一人に新型コロナが発
   症し、私は濃厚接触者に該当するとのことで、PCR検査を受けました。幸い陰性でしたが、
   2週間の自宅待機となりました。

三信鉱工(株) 粟代鉱業所 画像:1- 1=、1-2= ビデオ:無し

この次は、立山砂防工事専用軌道(通称、立山砂防軌道)(無煙、現役) 1-1=です。
この次は、京都・輪違屋(非鉄)1=です

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