蒸気機関車の写真館 「煙にまかれて」 海外蒸気   中国   三道嶺  4-1

China Sandaoling Coal Mine Railway
       Fire sparks of Steamlocomotives
中国  三道嶺炭鉱専用鉄道 4-1
       大噴火する蒸気機関車

2016年12月〜17年1月に4回目の訪問です。前回の中国訪問は2012年5月でした。この
ころ中国の現役SLはほとんど姿を消していました。そして暴力的な反日活動が活発になり、
それを中国政府が支援していることもあって、もう中国には行かないつもりでした。一方、
2年ほど前から、三道嶺炭鉱で花火のような炎を上げながら走るSLが話題になっていました。
夜間、真っ赤な噴煙を上げながら建設形SL列車が走る様子がビデオで紹介されていたのです。
花火にたとえると、これは尺玉で、これまでジャワの製糖工場で見てきたのは線香花火です。
しかし、いろいろな好条件が重なる必要があるようで、行けば必ず見られるものではないよ
うです。この課題に写真家のK竹さんとガイドのOさんは正面から取り組んでいました。そ
して、かなりの高確率で再現できるようなった、との話が聞こえてくるようになりました。
 
そこで、このK竹ツアーに参加してその光景を自分の目とカメラにも収めて見たいと思うよ
うになりました。お道具もISO=51,200の高感度で撮れるデジカメ(ニコンD500)も用意
し、参加を決めました。今回の撮影チャンスは5晩で5回です。今回、北京空港からハミ空
港まで約4時間飛行機、そこから車で2時間で三道嶺に入りました。一段と便利になりました。
なお、中国では、預け荷物にバッテリーはもちろん充電器も入れることが禁じられています。
このような器材を預け荷物に入れたままで中国国内でトランジットすると、トランジットの
空港で預け荷物がはじかれ、搭乗すべき便に積まれないことが普通にあります。中国に限ら
ず搭乗する航空会社のルールを事前によく理解しておくことが大事です。実際、預け荷物の
中に充電器入れたため、トランジットの空港で荷物が積まれず、2週間も荷物無しで過ごし
た人を見てます。この人の場合、荷物は、日本に送り返されました。(充電器はどうなった
のか聞きそびれました)

画像を2回に分けて掲載します。1回目に花火だけをまとめて掲載します。
  
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1日目です。この列車には、ガイドのOさんが添乗できず、別のツアーのガイドが添乗していま
した。Oさんが携帯電話でこの別のガイドを指導したようですが、きれいな花火になりませんで
した。まだ暗さが十分でなかったことも影響しているかもしれません。
    

  
  

  


  
  以上、そこそこの花火ではありましたが、期待はずれでした。

  
2日目です。この列車はノーマークで何の仕込みも行っていません。ガイドのOさんは次の列車
で仕込みを行っていました。それにもかかわらず、このノーマーク列車は1日目よりよさそうな
雰囲気でやってきました。  

  
  さらに花火が盛大に。

  
  近づくにつれて、盛大に。

  
  なかなか良い雰囲気に染まりました。

  


  
  私の目の前を花火を上げながら通過していきます。

  
過ぎ去ってからの方が、より盛大になっています。私よりかなり後方でカメラを構えていた人は
良い花火を拝めたようです。

  
一段と良い花火になっています。なお、本来予定した花火列車はこの次で、ガイドのOさんが添
乗しましたが、不発でした。1日目よりはかなり良かったのですが、ハイライトは自分の前を過
ぎてからでした。なかなか、ハードルが高いです。3日目は炭鉱が休業で、見られませんでした。

  
4日目です。かなり遠くから大花火が上がっています。望遠レンズでないのが残念です。200
mm以上のレンズを装着した人には、すばらしいのが撮れたのでは思います。この列車にはガイ
ドのOさんが添乗しています。

  
  近づいても勢いが衰えません。

  
  ピントが甘いですが、良い状態で通過していきます。。

  


  
  花火が一段と輝きます。

  
  ピントが甘い、流し撮りもできていない

  
  

  
  すばらしい花火でしたが、撮影技術が追いついていない。

  
5日目の最終日です。4日目の立ち位置より線路から離れてサイド気味を狙うことにしました。
この日は、4日目以上にすばらしい花火を上げながらやってきました。4日目よりは少し明るい
時間帯で、撮影環境もプラスです。ガイドのOさん、一段とコツをつかんできたようです。Oさ
んは、2日目から毎日、花火列車のキャブに乗り込み、花火実現のために奮闘していました。つ
いに今回の訪問最大の花火となりました。以下連続13枚の写真です。1枚目。

  
  2枚目

  
  3枚目

  
  4枚目、一気に噴火です。

  
  5枚目、白煙も真っ赤に染まってます。2日前に降った雪もプラスに働いています。

  
  6枚目

  
  7枚目、依然として白煙も真っ赤に染まっています。10枚目まで絶好調です。

  
  8枚目

  
  9枚目、このカットがハイライトです。

  
  10枚目

  
  11枚目

  
  12枚目

  
  13枚目、まだまだ花火は続きます。でも写真はこれで終了です。4-2に続く。

今回の訪問で期待した以上の花火に5回のチャンスで3回も遭遇できました。小生にとって、立
ち位置も含めてベストの撮影は5回目の最終日でした。改めて、K竹さんとOさんに感謝です。ま
れにしか見られない偶然の出来事を、高い確率で見られるようにしたのは彼らのおかげです。こ
の事象は、Oさんのおかげで、偶然でなくある程度の確率で見られるようになりました。それでも
50%程度の確率でしょう。他のガイドでは、まったく見られなくても当然と思います。それなり
の確率で見たいのなら、Oさんのガイドで行くと良いと思います。

三道嶺炭鉱はすでにダンプを60台発注済みとのことです。これが入荷すれば、SLは廃止されるで
しょう。時期は2017年6月頃のようですが、これより早まるか遅れるかは、中国のことですから
わかりません。その後、2020年1月でも運転していました。三道嶺は中国最後、いや世界で最後
の産業用SLの活躍した地域になるかもしれません。2023年12月でもまだ残っているらしいです。
  
花火と白煙の関係
花火が弱いと白煙に花火が隠れてしまうことがあります。だが、花火が強まると、花火が白煙を真
っ赤に染め上げ、よりすばらしい光景になります。でも、白煙が出にくい時期の花火も、見たいよ
うにも思います。現役SLの終末期にこのような場面に遭遇できたのはありがたいことです。

花火の条件
不明な点が多いのですが、機関車の火の粉止めの不備、空転、粉の石炭をくべる、などが必要なよ
うです。さらに、加熱された石炭が酸欠で燃え切らないうちに煙突から排出し、周囲の空気で一気
に燃焼すると一段と見事な花火になるのではとも思います。一種の粉塵爆発ともいえるかも。撮影
時刻は、黄昏時がベストでしょう。 

  三道嶺炭鉱鉄道
   画像:1-1=、2-1=, 2-2=, 2-3=、3-1=, 3-2=, 3-3=, 3-4=
      4-1=, 4-2=
   ビデオ:
    その1:1=, 2=, 3=, 4=, 5=, 6=, 7=, 8=, 9=,10=,
        11=,12= 
    その2:1=, 2=, 3=, 4=, 5=, 6=, 7=, 8=, 9=,10= 
    その3:1=, 2=, 3=, 4=, 5=, 6=, 7=, 8=, 9=,10=,
        11=,12=,13=,14=,15=,16=,17=,18=,19=,
        20=,21=, 22=, 23=, 24=,25=,26=,27= 
    その4:1=, 2=, 3=, 4=, 5=

  この前は、雅満蘇(ヤマンス)鉄鉱山鉄道(1=)です。
  この次は、義馬炭鉱鉄道(1=)です。

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