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Argentina   Old Patagonian Express(La Trochita)
アルゼンチン  オールド パタゴニア急行 2-1

2019年8月に2回目の訪問。前回は2014年10月でしたので5年ぶりです。前回と同じドイツのツアー
会社主催のに参加です。主催者は、2014年以降、催行を試みていたようですが、アルゼンチン経済
の悪化等で鉄道の運行が困難だったようです。この鉄道はゲージ750mmでIng JacobacciからEsquel
まで402kmの路線長がありますが、今回走れたのは、約240km程度(Ing Jacobacci−Rio Chicoの
先約140km、El Maiten 付近約10km、Esquel−Lepa間約90km)でした。路線が3つに寸断されて
いるため、Ing Jacobacci、El Maiten、Esquelの3ヶ所で各々別のチャーター列車を仕立てました。
かつて、この鉄道にはBaldwinが25両、Henschelが50両も在籍していました。しかし、訪問時、Ing
JacobacciにはBaldwin3号ともう一両(番号の記録を忘れた)、Henschel104号の3両。El Maitenに
は、Baldwin1号と16号の2両。Esquelには、Henschel101号と114号の2両。合計7両のみのよう
です。その整備状態も良好とは言えません。
1970年代にポール・セルーの著作でこの鉄道の存在を知って以来のあこがれの鉄道です。1974年の
ダイヤによると、ブエノスアイレス18:00発→Ing Jacobacci(1347km)2日後4:03着、Old
Patagonian Expressに乗り換え、Ing Jacobacci 6:15発→Esquel 21:40着(表定速度26.1km/h)で
す。返しは、Esquel 8:45発→Ing Jacobacci 23:45着(表定速度26.8km/h)、1676mmゲージのブ
エノスアイレス行きに接続しており、当駅翌日1:18発→ブエノスアイレス翌々日10:15着となってい
ます。現在は、ブエノスアイレスとIng Jacobacci間は鉄道でつながっておらず、Old Patagonian
Expressも走っていません。わずかに、観光列車がEsquel−Nahuel Pan間(約20km)を夏のシーズン
に1〜2往復/週走るのみです。
この鉄道を体験するためには、列車のチャーターが必須で、しかも、日本から30時間もかかる、時
差が12時間で日本と昼夜が完全に反転、費用が非常にかかるなどで、なかなか行きにくい所です。
今回、真冬の催行とあって、爆煙を期待したのですが・・・・。残念ながら気温は0℃〜10℃程度、
-5℃以下にはならないそうです。一方、風はかなり強いです。乾燥地帯と言われる地域ですが冬には
それなりの雨/雪が降り、空にはいつも雲がある状態でした。なので、この季節はSL撮影に向いてい
ないように思えます。前回のように、10月頃の春が天候もよく、気温もそこそこでSL撮影にもっと
も向いていると思う。鉄道はアンデスの麓の標高700mから1200mにあり、乾燥気候でほとんどの
地域は樹木がまったくない荒野の中です。しかし、所々にある川筋には、樹木も茂り畑や牧場も広
がっています。
アルゼンチンに行くには、直行便がないので、北米経由、ヨーロッパ経由、中近東経由、豪州経由
などがありますが、いずれも30時間程度かかります。今回、KLMのアムステルダム経由でブエノ
スアイレスに入りました。ここで1泊して疲れと時差ボケを少し解消して、ブエノスアイレスの地
下鉄や国鉄を撮影し、翌日、ツアーの集合地点であるSan Carlos de Bariloche空港に向かいまし
た。ここまで日本を出てから足掛け3日です。ここからバスで4時間かけてチャーター列車の始発駅
であるIng Jacobacciに移動します。翌日から撮影開始です。7日間撮影した画像を15回に分けて
掲載します。1日目は、Ing JacobacciからRio Chicoまで運転を撮影です。その1では、撮影1日
目の前半の画像を掲載します。

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Ing Jacobacci駅。朝の7:30でも真っ暗、日の出は8:15頃。チャーター列車の準備で踏切を渡って
いるところ。街路灯の光で撮影です。
 

   
Ing Jacobacci駅。チャーター列車の発車を待つばかり。ホームの左側はアルゼンチン国鉄線が利
用。この鉄道は、1676mmゲージでSan Carlos de Barilocheと大西洋に面したViedmaを結ぶ路線
です。現在も運行中のようです。かつてはブエノスアイレスまで33〜34時間で結んでいたのですが。 

   
間にオイルタンク車をはさんだ重連です。タンク車には機関車の燃料であるオイルを積んでいます。

   
先頭がBaldwin(ボールドウィン)製3号機(1D1)、次位がHenschel(ヘンシェル)製104号機
(1D1)。これから列車に乗って移動しながら撮影です。

   
撮影開始です。1676mmゲージと750mmゲージの三線区間です。曇っていて朝陽が拝めません。
この時期は雨が多いようです。

   
   撮影の時は、単機です。機関車はHenschel。この日のBaldwinは予備の扱いのようです。

   
Empalme信号所。三線区間が2つに分岐するところです。
   

   


   
   750mm専用軌道線に入ります。

   
   Bomba−Ojos de Agua間その1。この付近の標高は1200m程度。

     
  

   
   線路と手前の山の間には小川が流れており湿地帯です。かなりの人が湿地に足を取られています。

   


     


   
   少し立ち位置を変えて、再度撮影です。

   
   カーブに入ります。
 

   
   回り込みます。

   


     
   大Sカーブです。

   
   Sカーブを抜けます。

   
   
   ストレート区間に入ります。

   
   大パノラマでした。
 

   
   Bomba−Ojos de Agua間その2

   
   これで撮影1日目の前半の終了です。2-2に続く。

アルゼンチン オールドパタゴニア急行
  画像:1-1=, 1-2=, 1-3=, 1-4=, 1-5=, 1-6=, 1-7=
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     2-9=, 2-10=, 2-11=, 2-12=, 2-13=, 2-14=, 2-15= 
  ビデオ:
   その1:1=, 2=, 3=, 4=, 5=, 6=, 7=, 8=, 9=, 10=,
       11=,12=,13=,14=,15=,16=,17=, 18=,19=,
       20=, 21=, 22=
   その2:1=, 2=, 3=, 4=, 5=, 6=, 7=, 8=, 9=,10=,
       11=, 12=, 13=, 14=, 15=, 16=, 17=, 18=

この前は、アメリカ カリフォルニア州 赤い森渓谷鉄道(1=)です。
この次は、アルゼンチン ブエノスアイレス地下鉄(1=)です。

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